SNACK

2023.5

一棟貸し宿泊施設「穴吹邸」リブランディング事業

空き家を改装し開業した ”一棟貸し” 宿泊施設「穴吹邸」。
リノベーションからホームぺージ作成、プロモーション素材の作成まで、穴吹邸の裏も表も担当した今回のリブランディングプロジェクトはSNACKメンバーひとりひとりの強みが活かされたプロジェクトに。
リノベーションのこだわりや、リブランディング後もその可能性を広げていくSNACKの仕事の真髄を取材しました。

「瀬戸内ヒュッゲ」をコンセプトにゆったりと心地の良い時間を堪能する宿泊施設。利用者が「オーナー」となり一棟全て自由に利用することができる。

公式HPhttps://www.anabukitei.jp/
インスタグラムhttps://www.instagram.com/anabukitei/tagged/
住所〒760-0036 香川県高松市城東町1-7-15

宿泊施設で高松に新たな価値を

どんな経緯で穴吹邸と関わることになったんですか?

コロナ前の第1期工事の段階では、ある程度大人数が泊まれることを想定した宿泊施設として運営していました。でも、コロナが始まって大人数利用の需要が戻るかわからなかったことと、そもそも本来の穴吹邸のゆったりとした空間の良さと大人数で騒ぎたいというところとにギャップが生まれてしまっていたのもあって、第2期工事は運営面を含めて穴吹邸のリブランディングをしていきましょうとなったんです。

実は、高松のエリアを見渡すとビジネスホテルはいっぱいつくられているけどゆったり過ごしたい人が満足できる宿泊施設がないんですよ。地方だからそういう宿が必要ない、というわけではないでしょう。穴吹邸はもともとすごく立派な建物で、香川に昔からあるその素材・たたずまいを活かしながら、ゆったり過ごしたいお客さんに向けた宿泊施設をつくりたい、というところから思い切ってスタートを切りました。

それで現在の「瀬戸内ヒュッゲ」をコンセプトとしたリブランディングが始まったんですね

そうですね。きっかけは建物の横にあった、もう使われていないポンプ室をどうにかしたいという相談があって、そこから話が膨らんでいって。実はそこは今サウナ室になっています。

なぜサウナ室に?

サイズ的にも、ポンプ室ほどのコンクリートの箱はある程度断熱してしまえばサウナに適している構造体なんですよ。解体するにも費用がかかる、ならそれを活用した方がいいよねということで。

”活用”で言うとスパエリアは高い外壁を活用してリノベーションを行いました。この外壁は敷地の右奥にあるかなり閉塞感のある空間で、そのままだとあまり人が近づきたがらないところだったんです。でも外壁があるからこそ気持ちよく過ごせる場所、と考えると自然とスパエリアになったんです。

建築業者の中には更地にした方が早いし安い」って言うところも少なくないんですよ。でも、古いものが残っていることはそこにしかないストーリーがあって、それを残していきたいなって。

全国プレハブだらけになるのはもったいないじゃないですか。

確かに。以前はどんな佇まいだったのか、立派な建物だからこそその歴史に触れられるのはお客さんにとっても面白いですね!何より、ストーリーがわかることで穴吹邸が唯一無二の存在になる気がします。

サウナとスパエリアは穴吹邸が提案するゆったりとした時間の過ごし方にもぴったりですね

そうですね。瀬戸内ヒュッゲという北欧の時間の過ごし方を提案する中で、このエリアが一番特徴的かなと思います。

SNACKメンバー全員の強みを活かしたリブランディング

今回のリブランディングは、リノベーションだけでなくプロモーションまで担当したんですよね

はい。SNACKメンバー全員が関わり、リノベーション、インテリア選びを含めた空間デザイン、施工との打ち合わせ、写真・動画撮影、動画に使用する音楽制作を行いました。まだ継続中ではあるんですが、インスタグラムの運用も行なっています。

 
 
 
 
 
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内容量がすごいです!やはりハード面*ソフト面*もできるところがSNACKならではの強みだと思うのですが

※ハード面:リノベーション、空間設計 ソフト面:プロモーション素材

確かにそうかもしれないですね。やっぱり世界観を作るには誰かがコントロールしなきゃいけないじゃないですか。ハードを知っているからこそソフトでここを切り取ろうとか、逆にソフトを意識してハードを作っている場合もあるんです。くつろいでもらう空間設計と同時に、情報発信として発信しやすい空間も必要だと思っています。

SNACKとしては、メンバー個人でもそれぞれ仕事は取れるんですけど、今回のようにみんなが集まるからこそできる仕事をこれからも追及していきたいです。

リノベーションが終わった後も伴走できるのは、いざ運営を始める時に運営側にとってはすごく心強いことなんじゃないかと思います。メンバーそれぞれが強みを持っているから広い分野で相談を受けられる。(個人ではなく)SNACKだからできる仕事ですね。

リブランディングの先にある『運営』を見つめる

自分たちがリノベーション、リブランディングをした場所に人が集まるのはやっぱり嬉しいですか?

そうですね、嬉しいのと、どっちかというとホッとしますよねー。

すでにお客様からの評価はかなり高くて、今の値段設定も庶民からしたらかなり普通じゃないんですけど、このサイズ感と機能性があればもうワンランク上を目指せるなという状態です。

やっぱり、一番大切なことはオーナーさんがちゃんと運営を続けられことですね。作る(リノベーション)だけだったら見た目さえ整ってしまえばいくらでも作れるんです。運営をしていく中で、事業への意識が上に向いているっていうのが大事かなと思いますね。

とりあえず整えてしまえばいい、と思っているのであれば僕らじゃなくて他の事業者でいいじゃないですか。でもそうじゃなくて、本質を捉えて、運営を回しながら「価値を高めていきたい」って本気で思っているかどうかが大切ですよね。

オーナーの穴吹英太郎さんは穴吹邸に対する想いと覚悟を持っていたので、その姿勢に応えるために僕たちも背水の陣で挑みました。

穴吹さんとの打ち合わせの様子

リノベーションがゴールではなく、その先にある 『どんな運営をしたいか』。
目先より本質に沿って進んでいくことで、自然と事業の目標を持ち続けられそうですね

短期的な、ただお金を回すだけの仕事って面白くないですよね(笑)

オーナーさんともそうだし、その地域と継続して付き合っていくことで新しい発想も生まれていく。穴吹邸もそうだけど、そういう新しい場所を供給していくことは地域にとってすごく大きな役割だと思っています。


ただ”できること”の幅が広いのではなく、担当する業務の先にある「運営」を見つめることで、その後も事業の可能性を見出していける。この循環を生み出す場所が増えていけば地域としてもどれだけ面白い場所が増えて、そして進化していくのでしょうか!

これからまだまだ進化を続ける穴吹邸に乞うご期待!


穴吹邸公式ホームページhttps://www.anabukitei.jp/
穴吹邸公式インスタグラムhttps://www.instagram.com/anabukitei/tagged/

穴吹邸オーナー穴吹英太郎さんとSNACK高木社長の対談はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=SM8e6RbmnrY

この記事を書いた人

Hana Yamazaki

神奈川県在住の新入りスタッフ。
SNACKのお手伝いをしながら香川県の魅力を県外から深掘りしていきます。
本島のトリコ。